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部下は上司をよく観察している

る会社の若手社員のA君の話である。

「報連相といっても結構難しいんだよね」

「なぜ難しいの?」と私。

「うちの今度の担当部長は、朝、機嫌がいい時と悪いときの差が激しいんです」

「朝のあいさつをしても黙っていられると私自身が部長に承認されていないのではと不安になります」

「機嫌の悪いときに報連相しても聴いてくれないか、生返事ばかりで的確な指示がほとんど帰ってこないのです」

部長は血圧が低いわけでもないのに、朝、しばしば暗い表情でいる。

当は朝報連相して気持ちよく仕事をしたいのだが、機嫌が良くなるのを待っていると昼過ぎになったり、ひどいときは夕方になってしまうことがある。

部内ではこのことは誰でも知っているのだが、メンバーはほとんどあきらめている。業務は順調に進んでいるし、部内の業績は全社でもトップクラスだった。

にもかかわらず、部内のコミュニケーションがうまく行っているとはいえなかった。

どうすれば部長と朝の円滑な報連相ができるかA君は悩む日々を送っていた。

さて、部長はなぜ朝、機嫌が悪いのだろうか。部内のミステリーでもあった。


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